「皇帝」(4:Emperor)は、大きな夢を持ちつつ、小さなことを積み上げていける王様のカードです。
父性。父親。男性的エネルギー。
統治、ルール、何かを築き上げたい。
起承転結、逆算。
安定、土台。
ロジック、現実的、行動のエネルギー。
「ローマは一日にしてならず」
繁栄したローマ帝国も、築くまでには七百年の歳月を費やし、苦難の歴史がありました。
コツコツと小さなことをアリのように積み上げていき、やがて人が思いつかないような大きな物を作り上げる。
リーダーとしてコミュニティを統治し、人々が豊かに暮らせるような仕組み作りをする。
必ず形にする、実現させる現実性を持つ。そんなカードです。
皇帝が持つ数字は4。
4は、物事の基礎や土台を表す数字です。
水、火、風、土は4元素。
音楽でも四拍子や四小節は基礎となります。
車の車輪は4つあり、四季もやはり4つです。
では、早速ボイジャータロットにおける「皇帝」の意味を見ていきましょう。
「皇帝」ポジティブな意味
- 順序立てて物事を発展していける
- 小さなコトをコツコツと持続できる
- 起承転結を組み立てられる。逆算も得意
- 名声、富、権力、影響力への関心が強い。実業や政治で名を残す
- 世間のルールより、マイルールを貫く
- 行動のエネルギー。理論的、ロジック、現実的
- 父性、男性的なエネルギー
- 新しいことを始めるパイオニア。夢を実現できる
- エゴと競争心。大きな情熱と野心。高い志と強い意志。絶対に目標を達成する
ネガティブな意味
- イレギュラーに弱く、融通がきかない。柔軟性に欠ける
- エゴ、競争心が強く、独裁になりやすい
- 怒りが激しい。すぐ怒る
- 時に人を道具として扱ってしまう
- 高圧的に人を支配しようとする
- 社会のルールより自分のルールを優先させる
- あまりにも即物的。名声や富などに執着する
その他の意味(引く人の状況に合った意味)
- 人に対して支配的になるのは恐れから
- 怒りのエネルギーは建設的に使うこと
- 「支配」ではなく「統治」を心がける
- 帝王学(リーダーシップや作法・道徳など)を実践してこそ、良いリーダーになれることを自覚する
- 高血圧、心臓病に注意
それでは、カードの絵柄の解説をしていきたいと思います。
「皇帝」のカードの絵柄について
帝国は一夜にしてできるものではありません。
そのため、親子二代が中央に描かれています。
ローマ帝国を築いたアレクサンドロス大王とフィリップ王です。
右側に描かれた手には、苗と土。これから大きく、帝国を育てていく象徴です。
角のある牡羊は行動の象徴。このカードは牡羊座のエネルギーも引き継いでいます。
(一説に、この羊は山の山羊とも言われています)
左下に置かれたきらびやかな土台。
その右にあるたくさんのコインは、王国の富の象徴です。
王国を築くには、わしのような鋭い頭脳。
強い心と賢さを持つザトウクジラ。
牡羊のような勢いが必要となります。
「皇帝」のカードはすなわち、
自分なりの帝国を築き、社会の物質的発展に貢献する
これがテーマなのです。
実際のリーディングでの意味
以下、「皇帝」のカードが出た場合の意味を解説します。
簡単な例を見てみましょう。
例1:新しいプロジェクトが始まります


まず、目標を決め、そこへ向かう具体的なプロセスを計画しましょう。
どんな細かいことも逃さず、頭の中に浮かんだことを書き出してみます。
それから実現可能なこと、不可能なこと、必要なこと、不必要なことを、論理的に、視覚的に捕らえます。
できればチームで共有していくと更によいでしょう。
しかし、実現できないからといって、目標を小さくまとめてしまってはいけません。
あくまでも、目標は大きく。大志を抱いてください。
現実的にチームを引っ張っていけるリーダーを探しましょう。
いない場合は、あなたがそのリーダーになりましょう。
コツコツと、長い時間をかけてできあがったものは、社会を変える大きなものになるかもしれません。
例2:今日はどんな日になりますか?


最近、もしかして疲れていませんか?
あまり自分自身に厳しくなるのもよくありません。
大きな目標の前に、自分があまりにも小さく思えてしまうことがあるかもしれませんが、どんなことも、本当に小さな「一歩」から始まっているのです。
「なぜできないんだ!」と、自分に怒りを持つのをやめましょう。
あなたは大きな「帝国」を作り上げる人です。魂がそれを求めています。
そのことを忘れずに、今日できる小さなコトを行動してみましょう。
それがこれからの10年後、20年後のあなたにつながっていくのです。
最後に
今回は「皇帝」の意味を解説しました。
2020年4月現在、世の中はあまりにも大きく変化をしています。
会社に行って働いていたのがテレワークになり、組織で働くことが必要なのかどうか、そして個人としてどうあるかが大きく問われる時代に入りました。
2020年12月のグレートコンジャンクションは「水瓶座」で起こり、2023年に冥王星が水瓶座へ移行することで、不動産や貨幣などの物質社会から、AIや電子マネーなどの情報社会へと大きく変換しようとしています。
これからの時代は、物質的価値を重んじ組織を維持していた「皇帝」には厳しい時代となっていくでしょう。
世の中に求められるのは「父性的」「男性的」なエネルギーではなく、「女性的」エネルギーにシフトしていくからです。
しかしだからといって、女性だけでも物事を生みだすことはできません。もちろん男性的エネルギーは必要ですし、求められることでしょう。
「支配」ではなく「統治」。
「女帝」でみたクリエイティブなアイデアを形にすることができない時は、「皇帝」が筋道を立てて現実化していく。そんな力が求められることでしょう。
男性と女性が融合し、バランス良く存在することによって、社会はよりよいものへと変わっていくのだと、私は思います。
※ちなみに……私はこの「4:皇帝」のエネルギーを、ライフナンバー(人生における課題の番号)として持っています。パーソナルナンバー、ライフナンバー、ボイジャー数秘については、また後日改めて説明していきたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
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